バナナ園を始めた経緯
稲沢バナナ園のブログへようこそ!
稲沢バナナ園オーナーの石田守です。
私がどんな人間かといいますと、
- 遺伝子組み換えの研究経験があり、
- 断食の指導者で
- 食育講師をしていて、
- 自然栽培のバナナ園をしいてる。
という異色の園主です。そういった経緯もあり、
どうしてバナナ園を始めようと思ったんですか?
というご質問をよく頂きます。
これにお答えするために、少し長くなりますが、私自身のお話にお付き合いください。
小さな頃の憧れは科学者でした
少し前の中日新聞で、子供の将来の夢ランキングが掲載されていました。
その中にも私が小さなころに夢見たものがありました。
科学者(学者)です!
たぶん小学6年くらいだと思いますが、私は漠然と科学者になりたい、と思っていました。
小さなころから図鑑っ子
親に聞いてみると、小さなころから図鑑ばかり見ていたそうです。
特に好きだったのが『よいこの動物図鑑』
(よい子かどうかは分かりませんが^^;)
今でも、
表紙の裏の特集(動物の走る早さを比べたもの)が何だったか?
肉食動物と草食動物の視野の違いと目の位置の話、
ヘビのページの右真ん中くらいにニシキヘビがあったこと、
などなど細かく内容も覚えています。
背表紙がボロボロになってページがめくれてましたね。
稲沢市祖父江町の環境が興味を継続させてくれた
祖父江町はすごく田舎です。
祖父江の田んぼにはホタルがいるくらいですからね。
(いまだに残っているのは、祖父江のホタルを守る会というNPO法人の活動のおかげでもありますが。)
図鑑っ子の私の興味を刺激してくれたのは、間違いなくこの田舎の環境でした。
どうして愛知県でバナナをしようと思ったですか?
と聞かれることも多いですが、自分の中ではここでしかありえなかったと思います。
確かにバナナは熱帯の植物なので愛知県でするのは自然ならざる形ではありますが、
自分が子供のころにもらった刺激を、今の子供たちにもプレゼントしたい!
という想いがやはりあります。
大学院では遺伝子組換の研究
自然が大好きなのは変わりませんが、私が学生の頃は遺伝子組換えが一般的になりはじめ、生物学の世界では再生医療と2分する最先端分野でした。
私は遺伝子組換えの研究がしたい!という思いが強かったです。そしてその想いのまま、大学院まで進学し植物の遺伝子組換えの研究室に入りました。
細胞レベル、細胞の中のもっと小さな世界の遺伝子の研究はとても楽しかったですが、やってみて色々感じる事もあります。
実家が園芸農業を営んでいたことも影響していると思いますが、これからの農業の形として
今の遺伝子組換えって間違っているのでは?
という想いを抱くようになりました。
今は少し変わってきているようですが、遺伝組換えのトレンドは
・農薬に強い
・除草剤に強い
・害虫に強い
というものです。
ガスマスクをつけて農薬を噴霧する家業の様子を見ていましたので、強烈な違和感を覚えました。
学生の頃はなんとなくの違和感でしかありませんでしたが、
今思えば『このまま地球を破壊しかねない技術の開発に関わっていいのか?』という恐怖を感じていたのかもしれません。
子供が産まれた時に起きた東日本大震災
そんな事があり、遺伝子組換えからは自然と離れ、家業を手伝うようになりました。
そのころから人間の体の仕組みに興味を持ち始め、特に健康について考えるようになりました。
そんなおり、子供も産まれてすぐに起きたのが東日本大震災です。
本当に体にいい食べ物って何だろう?
子供が産まれたばかりだったこともあり、東日本大震災と原発事故は
子供にとって本当にいい食事とは何か?
ということを真剣に考える機会になりました。
そしてデトックスに興味を持つようになり、断食の免許を取得。
ハーブをディープに学び、食育も積極的にするようになりました。
しかし、勉強してもやはり分からない事はたくさんありますし、
むしろ混乱してしまうことだってあります。
だからこそ、
正しい知識を身につけるというよりも、
何が正しいのか判断できる目
を養うことが本当に大切になってきます。
そして、それは知識だけでなく、何かもっと動物的な直感に感性に近いものを磨いていく必要があると思います。
こういった感性はやはり勉学だけでは身につかず、
- 自然に触れながら体感し、
- よい食べ物を選んで、ベースとなる体をしっかりつくり、
- どんなことも楽しめる心を養い、
そうすることで身についていくものです。
これは、
子供たちが、情報に振り回せれることなく、
自分の力を十分に発揮して、自分の人生を楽しめるようになる力にもつながると確信しています。
子供たちが、
そういった力を身につける場所として。
そして子供たちを育てる親たちが
子供にその大切さを伝える場所として、
稲沢バナナ園を運営しています。
あふれる情報の中から正しい事を選び出すこと
私は遺伝子組み換えの研究の過程で、細胞学の事を深く学んでいました。
その知識からすると、今の世の中に出回っている情報の中には、明らかにデタラメなものも少なくないことが分かります。
だからこそ、私の役割のひとつがそこにあると考えています。
農業という立場から
食と健康について考えられる。
なかなかない立場です。
そして、
子供達の未来に大きく・深く関われるものと信じています。