科学的根拠を信じてはいけない!最後に頼りになるたった一つのもの

科学的根拠は信じていけない 子供の栄養学

【科学的根拠がある】は鵜呑みにしてはいけない

科学的根拠がある。

大学院まで遺伝子工学を嗜んでいた私にとっては、何よりも頼りになる拠り所でもあり、誰かに話をしたり力説するときでも必ず引用するキラーワードでもあります。

しかし、だからこそ、この科学的根拠というものの危うさも実は知っています。

まずは何が危ういのか、皆さんにも体験してもらうために今からしばらく完全に私が今即興で考えた嘘を”科学的根拠”をもとに話してみたいと思います。

いいですか、いまから書くことは嘘ですからね!!

=以下は10分程度で考えた私の科学的根拠を使った嘘です=

最近の肺がんの研究で大きな前進がありました。これまで肺がんの原因といえば、喫煙や排気ガスなどと言われており、ほとんどの人は納得していたと思います。しかし、実はこれが間違いで、喫煙と肺がんには関係がないことが強く示唆されたのです。

きっかけは肺がん患者の肺の細菌研究をしているアメリカの疾病センターの学者でした。この学者は、腸内細菌と大腸がんが大きな関係があることから、肺がんのリスクを高める細菌が呼吸器にもいるのでは?との仮説をもとに、アメリカの肺がん患者1,024名に対し大規模な調査を行いました。

すると健康な人と比べて優位に割合が多いPseudomonas属の細菌A(緑膿菌の一種)が発見されました。また逆に優位に少ないLactobacillus属の細菌B(乳酸菌の一種)も見つかりました。

緑膿菌は広く常在菌として存在するが病原菌になることも多い群であり、逆に乳酸菌属はみなさんもご存知のとおり、善玉菌として有名な菌群でもあります。

この緑膿菌の仲間は、今回少ない乳酸菌の一種の存在化ではあまり増殖しないことが試験管レベルで分かってきて、この乳酸菌の不足が、肺がんの原因となる緑膿菌の増殖につながっているのではないかということが分かってきました。

また、この乳酸菌Bは大腸の常在菌でもあり、便秘でない健全な人にはたくさんいることも分かりました。そこで面白い発見があったのです。以下統計データを見てください。

肺がんの上昇率

これは様々ながんの上昇率を示したもので赤色が肺がんです。昭和30年代からぐんぐんと伸びてきているのが分かります。

水洗トイレの普及率

次にこちらのグラフを御覧ください。水洗トイレの普及率ですが、昭和30年代(1960年代)からぐんぐんと普及していったのが分かります。上の肺がんの上昇率と非常に強い相関関係が見られます。

これは、肺がんを予防していた大腸の乳酸菌群が水洗トイレによって大気に舞うことなくすぐに流されてしまうことによって、呼吸器に吸い込まれることが少なくなってしまい、結果として肺がんのリスクを高めてしまったと言えるのです。

衛生的になり伝染病がなくなった反面、肺がんのリスクを高めてしまっていた事が分かってきたのです。

= 以上嘘の論説終わり =

科学的根拠は確かなものだが、危うい面も多々ある

さて、繰り返しになりますが、これは嘘ですからね。今私が本当に即興で考えた嘘です。それにしてはよく出来ていると思いませんか?

よく出来ていると感じるにはいくつかポイントがあります。このポイントは騙されないためにも抑えておくべき項目にもなります。

①今まで常識だと思っていたことが覆される可能性の示唆と一部のメリット

今回は喫煙が肺がんの原因と、広く認められた常識が否定されるかもしれない可能性を提示しました。これによって喫煙者は大きく耳を傾けるでしょうね。だってこの記事を読めば大きな顔をしてタバコを吸えるようになるかもしれないのですから。

②よく分からないけどなんか凄そうなアメリカの疾病センター

権威に弱いのは世の常ですが、やっぱり日本人はアメリカとかヨーロッパという言葉には弱いです。そこがどんな場所かも調べる人なんてまずいないですよね。また大規模な調査と書かれるとなんとなく大規模なんだな〜って思いますが、何をもって大規模なのかは研究内容や年数も関わります。でも素人ではそれを推し量ることはほぼ不可能で、そのまま信じてしまいます。

③悪い菌と良い菌の存在。そして乳酸菌は善玉菌という常識

学名をつかって書かれるとよくわからなくなり、そういう悪い菌がいるんだな〜、良い菌がいるんだな〜ってなんとなく根拠があるものとして処理してしまいます。

しかし1,000種類以上いると言われている常在菌ですから、何かが多くて何かが少ないというようなデータは取ろうと思えばおそらく取れます。そして病人とは得てして病原菌が多いものです。そこには相関関係がある場合もありますが、それが直接的なものかなんて分からないのです。

④よくよく考えれば関係なさそうな統計データ

今回は肺がんの上昇率と水洗トイレの普及率を持ってきました。当然同じ位の年代に上昇していますが、日本は昭和30年代から高度経済成長期で様々なものが急上昇しています。たとえまったく関係なくとも同じように急上昇しているグラフを見るとなんとなく

おお!本当だ!すごい勢いで伸びているゾ!!!!

と勘違いしやすいのです。

⑤高度経済成長期からの改善に潜む罠的はなし

日本は衛生環境を気にしすぎ、というのもいわゆる常識になりつつあり、こういう話をすると、花粉症の衛生仮説などを信じる人は飛びついてしまいます。

さあ、いかがでしたでしょうか?即興で考えた割にはよく出来ていますよね!

予め言っておきますが科学者は決して嘘の研究をするつもりはありません。常に新しい発見を求める人種です。しかし基本的には仮説と検証からなり、自信のある仮説ほどそれを裏付けるデータは取ろうと思えば取れてしまうのです。

科学的根拠もいいけど最後に信じられるのは自分の感覚

では科学的根拠を信じないのであれば何を信じるかというと、もう自分の感覚しかありません。もしくは信じられる詳しい人を見つけるしかありません。

健康のことで言えば、どこまでも個人差がでる分野でもあるので、正直それが科学的根拠があろうとなかろうと関係なく、やってみて良ければ続ければいいし、駄目ならやめればいいのです。

とはいえ、勝手に内容を変えてしまって駄目だったと判断したり、あまりにも早く判断するのも良くありません。ネットでも健康法やダイエットの話題は事欠きませんが、書いている人の個人的意見に過ぎず、あなたには合うかもしれないし、逆に駄目かもしれないのです。

実験する際の最大のポイント

最終的には自分が信じるものを試してみるしかありませんが、その場合のポイントがあります。それは

信じすぎず、疑いすぎず、ただ客観的事実を観察すること

です。信じていれば正しく見えますし、疑っていれば間違って見えるのが人間の目です。思い込みは一旦はずしてよ〜〜〜く観察してください。真実はそこにしかなく、あなたにとっての真実はあなたにしか見いだせないのです。

コメント

  1. […] 科学的根拠を信じてはいけない!最後に頼りになるたった一つのもの バナナ園ファスティング ファスティング 断食 糖質制限 シェアする Twitter Facebook はてブ Pocket LINE コピー inazawabananaをフォローする inazawabanana 稲沢バナナ園 […]

タイトルとURLをコピーしました